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認知症

​一般的な状況や解釈

認知症は代表的なもので、「アルツハイマー型」「脳血管性」「レビー小体型」「前頭側頭型」に分けられます。

 

原因として主に、異常なたんぱく質が脳に蓄積したり、脳の神経細胞が死んで脳が委縮することにより発症すると考えられています。

​よくみられる症状

 記憶障害(ついさっきのことが思い出せない)

 理解力・判断力の障害(会話が成立しない等)

 料理ができなくなる、感情表現の変化、不安感、徘徊、うつ状態など

当院の中医学では
どのように考えるのか?

①従来の考え方

これまで、認知症は老化により腎気(人が生まれ持ったエネルギー。年をとるにつれ減少する)が損なわれ、脳に栄養が送れなくなり(脳は腎により滋養されていると中医学では考えます)、委縮が進み、物忘れなどの症状が起こると考えられていました。

 

よって、治療は不足した腎気を「補う」ことにより行われてきました。

 

②当院が考える新しい中医学の考え方

しかし、現代では「老化」という面よりも生活習慣病などに代表されるように

「栄養過多」により引き起こされる病気の方が多いのです。

これまでの

不足することが原因であった時代から、

取り過ぎることが原因となる時代へと

変化したということです。

 

中医学では食べ過ぎ・飲み過ぎがあると脾胃(消化機能のこと)に負担がかかり、

痰湿(たんしつ)」というものが作られると考えます。

(現代的にいえば、

コレステロールや老廃物のようなもの)

そして、この痰湿が増えすぎると、脳が痰湿で覆われて、脳の機能が低下します。

 

また、この痰湿が

脳への通路(経絡)をふさいでしまい、

脳に栄養(気や血)が送られなくなると

脳が部分的にエネルギー不足になります。

すると、脳は機能を十分に発揮することができず、いわゆる認知症の症状と呼ばれる様々な症状を引き起こすのです。

 

つまり、これまで考えられてきた

腎気の不足が原因ではなく、

​痰湿の詰まりが大きな原因だ

ということです。

 

現代では、この全身的には栄養過多であるにも関わらず、部分的な栄養不足が起こっている状態が多くの問題を引き起こします。

また、現代人の多くの人が抱えるストレスも、「肝」の働きをスムーズでなくします。

肝は血の巡りに関係している為、血液の巡りが悪くなり、「瘀血(おけつ)」が作られます。

(瘀血:現代でいう血栓のようなもの)

 

この「瘀血」も痰湿と同様に脳への通路を塞いだり、脳そのものに詰まってしまい

脳の機能が十分に発揮できなくなります。

  

このように、現代のライフスタイルの変化に合わせ、原因も変化し、

それに伴い治療法も変化してきます。

治療のポイント

治療のポイントは脳にたまった「痰湿」や「瘀血」を取り除くことです。

①ツボを利用した治療

*「脾」「胃」のツボを利用し、痰湿を取り除きます。痰湿は脾胃で作られるからです。
  ツボ一例:足三里、豊隆など

*気や血の巡りを改善し、瘀血を取り除きます。
​ ツボ一例:内関、三陰交など

*首や肩のコリを解消し、脳への通路をスムーズにします
 ツボ一例:風池、天柱など

②食養生

痰湿が溜まる原因は、食べ過ぎ・飲みすぎなので「お酒」「甘いもの」「生もの」を
なるべく避けた食生活をご自分でも心がけるようにしてください。

③運動

運動することは血流が良くなり瘀血の解消に繋がります。
軽い体操や散歩など、歩くのが難しい場合は座った状態で足踏みや上半身の体操でも構わないので、出来るだけ体を動かしてあげると、巡りが良くなります。


 

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