うつ病

うつ病で多いのは、以下の2つのタイプです。

 

・ストレスが原因の「肝気鬱結」

・食生活が原因の「痰湿」

 

多くの場合、「肝気鬱結」がメインであり、

プラスして痰湿も関わっている事があります。

肝気鬱結と躁うつ

ストレスが原因となり、肝気鬱結が起こります。

肝気鬱結とは、肝臓の気がスムーズに流れず、

気がうっ滞した状態(気滞)です。

通常、気は空気のようにスムーズに流れていると良いのですが、

うっ滞した「気滞」の状態だと、

風船が入ってるような膨満感や、

喉で気滞が起こると、

梅干しの種が詰まったような「梅核気」が起こったりします。

また、気が滞ると痛みが出やすくなり、

特に肝に関連した部位である、

脇や少腹部(下腹部の脇)に出やすく、

月経不順や強い月経痛が見られます。

そして、

気は「気持ち」「気分」でもあるので、

気がうっ滞すると、

気持ちや気分もふさぎがちになり、

精神的に鬱状態になります。

肝気鬱結が長期化したり、強くなると、

空気が圧縮され爆発を起こします。

 

これが「肝火上炎」と言い、

躁うつ病の「」の状態はこれにあたります。

 

爆発することで、肝の火が激しく燃えるようになり、

精神的に異常に興奮した状態になったり、

イライラが激しくなります。

片頭痛や目の充血、耳鳴り、赤ら顔などを伴う事もあります。

こうなると、火が燃え尽きるまでは、

手がつけられないような状態になり、

火が燃え尽きて鎮火されると、また鬱状態になる。

これを繰り返すのが躁うつ病の状態です。

痰湿

痰湿は、ねっとり重たいヘドロのようなものです。

このヘドロが「心」にまとわりつくと、

精神的にも重たく鬱々とした状態になります。

伴う症状としては、

強い眠気、腹部膨満感、意欲低下、

むくみ、めまい、食欲不振などがあります。

痰湿の原因は主に食生活ですが、

​肝気鬱結が強くなると、

気が流れない事が原因で

痰が生じる場合もあります。

痰湿を起こす大きな原因は、特に、

お酒・甘いもの・生ものです。

それ以外にも、脂っぽいもの・辛い物・早食い・食べ過ぎなども原因になります。

こういった物は、消化や代謝機能に負担をかけすぎてしまい、

消化・代謝しきれなかったものがヘドロのように胃腸にたまります。

この溜まったものが痰湿です。

胃腸にある痰湿が心の方へ行ってしまうと、

​鬱々とした状態になります。

治療のポイント

うつ病はストレス食生活が大きな原因です。

よって、ご本人の心がけも必要です。

 

鍼の治療だけではなく、

以下の事に気を付けると良いでしょう。

食生活については、

お酒・甘いもの・生ものは控え、

なるべく粗食にして、

よく噛んでゆっくり食べ、

消化機能に負担をかけすぎないようにする事が大切です。

また、体内に溜まった痰湿を排出するために、

軽く汗ばむ程度に運動すると良いですが、

最初は軽い散歩やストレッチ、ラジオ体操でも構いません。

​とにかく体を動かすことが重要です。

一方、ストレスについては、中々難しい側面があります。

 

何をストレスに感じるか?

どのくらい強く感じるのか?

 

同じ環境だったとしても、

その人のタイプにより、

ストレスと感じない人もいれば、

ものすごくストレスに感じる人もいます。

その人の捉え方によって、

受け取り方が変わってしまいます。​

逆を言えば、同じ環境だとしても、

とらえ方が変われば、

あまりストレスに感じなくなる、

とも言えます。

それが出来れば苦労はしない!と思われるかもしれません。

ただ、同じとらえ方、思考癖でいる限りは、

似たような人や状況が表れれば、

何度でも、ストレスに感じてしまいます。

であれば、少しずつでも、

自分の捉え方や思考癖に気づき、

色んな事が起こってきても、

ストレスにのまれず、

出来事を受け流していけるようになった方が、

自分自身が楽に、過ごせるのではないでしょうか?

自分の捉え方や思考癖に気づくには、

心のゆとりが必要です。

鍼灸治療は、

その心のゆとりを作り出すことができます。

治療すると、

心が落ち着いたり、スッキリしてきます。

一時的にでも気分がスッキリすることで、

そこをきっかけに、

自分本来の精神状態を取り戻しやすくなります

うつ病は、

ストレスが大きな要因である性質上、

鍼で病的な状態を緩和することはできても

ストレスに関わる問題を変えていかない限りは、またぶり返す事になります。

ご自身の心がけと鍼灸治療を組み合わせてやっていくなら、心のゆとりを作るという面で、

鍼灸は力になれます。

もし、明らかに

その仕事や家庭環境が原因なのであれば、

職場を変える、別々に暮らす、

他の人やサービスにお任せする、

など環境を変えることも1つの方法です。

環境が変わると、心理状態も大きく変わってきます。

うつ病の治療

肝気鬱結の治療として、

内関・太衝・足三里、

心を落ち着けるために、印堂・神門などに鍼をします(瀉法)

痰湿も伴う場合は、豊隆をプラスします。

また、首や肩のコリが強すぎると、

脳への通路をふさいでしまい、

脳の働きが悪くなってしまうので、

首や肩のコリをしっかりととる事が大切です。

お灸や補法の鍼、漢方は必要ありません。

弱いタイプだから、気分が落ち込んでしまう訳ではないからです。

ストレスや食生活が原因で、流れが詰まってスムーズに流れていないだけなので、

むしろ補ったら余計に悪化します。

​現代では虚証でうつ病になるという事は、ほぼありません。